Japan
日本のブドウ栽培地は、北海道から九州まで広がっているが、主要地は山梨、長野、山形、北海道などである。
日本で栽培されているワイン用ブドウ品種は、白では甲州、黒ではマスカットベリーAなどが、昔から幅広く用いられてきた。
甲州種は、香りや味わいが穏やかで強力な特徴はないと言われ、甘味のあるワインが造られることが多かったが、香り成分の発現研究やブドウに不足する酸味を酵母で補ったり、シュール・リーなどの醸造方法の採用(醸造過程で発生した滓をすぐに滓引きせずにそのまま底部に残した状態で、ワインに味わいの深みや幅を持たせる技法)、樽の利用などの栽培、醸造技術の発展で世界的にも評価される辛口甲州ワインも造られ始めている。
マスカットベリーAは、新潟県上越市の岩の原葡萄園の創業者で、数多くの交配種を育種した川上善兵衛(勝海舟の勧めで、1890年ごろブドウ栽培、醸造を決意)が、昭和2年にベリー種にマスカット・ハンブルグ種を交配したもので、病害虫に強く、醸造方法を工夫することで早飲みタイプから超熟型のワインまで造られている。